デクの意識の中でOFA(ワン・フォー・オール)の継承者会議は佳境を迎えました。
菜奈の孫である死柄木弔を殺せるか覚悟を問われるデク。
死柄木はAFO(オール・フォー・ワン)に肉体と精神が侵食されつつも、その眼は憎しみに満ちていました。
それでも死柄木の深層世界に膝を抱えて泣いている子供の姿を見たデクは、何とかして救いたいと思わずにはいられません。
先代たちから紡がれてきたOFAは、殺すためではなく、救けるための力。
もう一つ大きな意味を持つようになったと力強く語るデク。
その回答に満足する初代OFAは、背を向けている2,3代目に対してデクへの協力を呼びかけます。
OFAの全解放はもうすぐです。
『僕のヒーローアカデミア』306話のネタバレ
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堀越耕平「ヒロアカ」306話より引用
それでは『僕のヒーローアカデミア』第306話『終章開幕』の要点をまとめてみました。
16号のジャンプは表紙に展示会、アニメ第5期の告知と、まさにヒロアカ三昧。
しかもアニメの第1話はオリジナルということで、否が応にも期待が高まります。
表紙はライムグリーンと黒を主体にしたツートンカラーで鮮やかさを演出する一方、扉絵は若干トーンを落とすなど、異なる手法での色使いはまさに絶品。
扉絵のデクが羽織っている黄色のマントをよ~く見ると、襟元の小さなボタンに気が付いたでしょうか?
これはグラントリノのマント!
前回「グラントリノは生きている」と大泣きした菜奈のセリフがここで回収されました。
粋な演出だと感動していると、奥付にある堀越先生のコメントでは、304話の4代目個性は“危機回避”ではなく“危機感知”が正解だとお詫びの掲載まで。
ある意味プロの仕事ぶりです。
さて、2週にわたる歴代OFAとの話し合いは、ひとまず終了。
物語はクライマックスに向けて加速しようとしています。
時間のない場合は目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
今後の処し方
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堀越耕平「ヒロアカ」306話より引用
歴代OFAとの対話と真実、師匠の葛藤、言葉ではない“無個性”であるデクの感情がオールマイトの心の中に朧気に流れてきました。
その時、デクの病室をノックしたのはホークスとベストジーニストでした。
涙を拭いて対応するオールマイト。
初めましてとオールマイトに挨拶をする自称“速過ぎる男”ホークスは、諸々を飛ばしてオールマイトに聞きたいことを質問します。
その内容はOFAとデクについて。
どうやら先の戦いに参加したヒーローが辞職の際、メディアに伝えたというのです。
デクが死柄木に狙われていることをエンデヴァーから聞いたホークス。
これからはヴィランだけではなく世間とも戦うためには、言い間違い、聞き間違いなど、些細なミスでも穴は埋めておく必要があります。
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堀越耕平「ヒロアカ」306話より引用
オールマイトは社会の混乱を防ぐため、デクのためにOFAの秘密を伏せておきましたが、最早その段階ではないと理解をします。
ホークスとジーニストの諦めない表情を見て、全てを話す決意を固めました。
謝罪会見
政府との協力レベルで雄英にも動きも出てきました。
しかし、3日が経過するもパニックは収まることなく、人々の不安は伝染していきます。
そんな中、ヒーローTop3の記者会見が始まりました。
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堀越耕平「ヒロアカ」306話より引用
清廉潔白であってくれ。
間違いなど犯していていないと言ってくれ。
不安だから安心させてくれ。
しなしながら、人々の縋るような想いはエンデヴァーの言葉で絶望に陥ります。
「真実です、お詫びの申し上げようもございません」
自分自身と家族のおぞましい過去を滔々と語り、深々と頭を下げるエンデヴァー。
噓でもいいから嘘だと言って欲しかったと、人々は誰もが悲観します。
騒めくマスコミは、次にホークスとジーニストに対して事実と異なる状況説明を求めます。
ジーニスト殺害は潜入工作のためと事情を話しながらも、荼毘の告発を全て覆すものではないと答えるホークス。
父親の件を隠していたことに謝罪します。
トゥワイスに関しては他に方法が無かったと弁明し、罪を償わせることなく殺害したのは不徳の致すところだとして残念だと述べるのでした。
指定避難所
これまでの会見を聞いて挙手する女性記者は、母親がギガントマキアの“縦断”で重傷を負った告白。
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堀越耕平「ヒロアカ」306話より引用
謝罪した程度では取り返しのつかない事態を説明し、エンデヴァーたちが何故すまし顔でいられるのかと糾弾します。
確かにヴィランによって1週間で多くの人々が家を失いましたが、それはエンデヴァーたち己の過ちがさせたものだと、その原因が分かっているようには見えないと口調はエキサイト。
それに対して憔悴した顔で泣けば取り返しがつくのかと返すエンデヴァー。
これには記者も逆ギレし、社会の不安を取り除けと怒りはピークに達するも、ヴィランを全部取り除けと叫びつつ、話の途中で何かに気が付きます。
それこそがエンデヴァーに出来る償いであることを。
話を引き継いだジーニストは、ヒーローたちが減った現状では全ての人々を守ることは困難なため、守るべき範囲の削減を公表。
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堀越耕平「ヒロアカ」306話より引用
政府と相談の上、本日より雄英をはじめと広大な敷地と十分なセキュリティを持つヒーロー科の学校を、指定避難所として開放したことを発表します。
既に学生たちの家族が避難準備を進んでいます。
先の見えない避難所生活に納得できるのかと怒号か飛び交う中、先を見るためのものだとエンデヴァーは反論。
ここから先は、避難も不安も全て自分に向けて欲しいと言います。
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堀越耕平「ヒロアカ」306話より引用
そして、エンデヴァーはみんなで俺を見ていてくれと毅然とした態度で決意を表明するのでした。
ヒーローは篩に掛けられ消えました。
それでも人々から求められる者をヒーローと言うならば、まだ立ち上がり人はいるのです。
終章始まる
OFAについては「わからない」とだけ答えたエンデヴァー。
勿論デクやオールマイトに非難の矛先が向かないためです。
しかし、肝心のデクの姿はA組から姿を消していました。
お茶子をはじめ皆に残された置き手紙。
そこにはオールマイトから授かった特別な力をAFO(オール・フォー・ワン)と死柄木が狙っていると綴られています。
事情が呑み込めないクラスメイト。
辛い道を厭わない者をヒーローと呼ぶのならば、彼らが辛くなった時に支えるのは果たして誰なのか。
デクの身を案じるお茶子は、手紙を手にしながら「ばかやろう」と呟くことしか出来ません。
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堀越耕平「ヒロアカ」306話より引用
こうして4月にヒーローアカデミアを去ったデク。
孤高のヒーローはヴィランによって倒壊するビルを発見。
「でっけー敵」
気怠そうな様子で呟く少年は今、物語への終わりへと歩み出すのでした。
『僕のヒーローアカデミア』306-307話のネタバレのまとめ
オールマイトとホークスが実は初対面という意外な事実から始まった今回のお話。
もはやOFAの力は秘密とする段階ではなくなりました。
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堀越耕平「ヒロアカ」306話より引用
とはいえデクの手紙の内容が何らかの拍子で外に漏洩しないか少し心配です。
謝罪会見は予想通りの大紛糾。
視聴者の言うとおり、噓の会見で人々に希望を持たせる選択肢がありながら、敢えて真実を語るエンデヴァー。
記者の質問については、聞く立場の人間が感情論をぶちまけた時点でその資質は問題ありなのですが、誰かを責めずにはいられないほど事態は切迫していることの裏返しでもあります。
首長族みたいなジーニストのスーツ姿。
ユーモラスなはずなのに何故かカッコイイ。
会見を締めくくったエンデヴァーの言葉に、救われたヒーローたちもいたのでは。
4月というト書きから、本来ならば進級のデクは一人学園を去りました。
デクを心配するお茶子が完全にヒロイン枠ですが、どうして事情を話してくれなかったのかという思いが最後の「ばかやろう」に込められているような気がします。
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堀越耕平「ヒロアカ」306話より引用
そのデクは我が道を進んでいるようです。
ボロボロの外見に目の下はクマでしょうか。
やさぐれ感が満載です。
ここに至るまでおそらくは一人でヴィランと戦ってきたと思われますが、2,3代目の能力を受け継いだのかは次回以降に明らかになることでしょう。
終章から目が離せません。

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